2017年1月
樂翠亭美術館で開催された「新春を寿ぐ 青柳志郎三代展」レポート1:出品作品とインスタレーション「愛の蔵」
2017年1月6日~2月16日。父であり師でもある日本北陸書道院理事長:青柳志郎の親子三代展が樂翠亭美術館にて「新春を寿ぐ 青柳志郎三代展」として開催されました。青柳雛はその三代目書家として書作品数点を出展、同美術館内「蔵」ギャラリーにては、私なりの「愛」を表現したインスタレーション「愛の蔵」を展示し、1月14日には特別企画として庭園での「天地(あめつち)」の書パフォーマンスを行いました。
【インスタレーション:愛の蔵】
蔵内の壁を陰陽108の楷書文字で取り囲み、愛と天地(あめつち)のパネルを配置、大祓詞全文を書き上げた帯を天井から吊るす。そして蔵の入り口ではメッセージカードをお取りいただきます。
◎「愛の蔵」コンセプト ※メッセージ配布カードの全文
「愛」という言葉の真の意味が、私は未だに理解できていない。私たちが愛を目指して生きているのだとしたら。古事記に記された天地(あめつち)開けし時、私たちの生きるこの世界が、あえて相対的な場として創造されたのだとしたら。おそらくはこの世界の善と悪、陰と陽、その全ての感情、行為、事象には意味があり、それらを体験し理解していかなければ、愛の領域に達することができないのではないかとも思う。
天地開闢以前に一つであったもの。もしかしたらその一つのものこそが愛ではないかと考えてみることもある。偉大な存在が私たちに愛を伝えるために、あえてこの世界を正と負の二つに分けられたのかもしれないと思ったからだ。もしもそうであるならば、自身がこれまでネガティブに否定してきたものも、愛という視点からはどう観えるのかを思考していかねばならないのかとも思う。わたしが真の「愛」の意味を知り得た時にはこの世に留まる必要がないのかもしれないけれど…。
この「蔵」のインスタレーションは、そうした私の思いを表現したもの。書家が通常は書かないような文字もあえて取り入れてみた。つるされた祝詞 大祓詞は、愛を理解する手助けとして日本人が大切にして来た詞だと信じている。 2017年1月 高木雛(当時の旧雅号にて)
【出品作品】